「KAZさんのお勧めは、桧でなくて杉なのはなぜですか?」とお打合せのお客様からご質問がありました。
この場をお借りしてその理由について
ご紹介させていただきます。
一般的に杉より桧の方が品質も価格も高級とされていますね。強度、性能、デザイン、材質、設備・・・・etc。
よりよいものをとスペックアップすると、その他のこだわりの部分にご予算を充てられなくなってしまいますね。
KAZでは、【品質】【価格】共、私たちが納得してお勧めできるものを、まずは標準仕様としてお勧めしています。
KAZが自信をもって杉材をオススメする理由とは?
少し、難しくなりますが、木材の強度、KAZでお勧めしている【山長商店の杉】のお話しをさせていただきます。
木材の強度の基準値
木材の強度は、2000年建設省告示1452号で木材の種類、品質に応じて定められています。
下記に構造材として良く使われる材料の表を抜粋しました。
無等級材の強度を比較してみた・・・
無等級材とは「日本農林規格(JAS)に定められていない木材」のことで、品質管理されていない材料のことです。
無等級材の中では、べいまつ、ひのき、すぎの順に強度が高くなっています。
桧の無等級材と山長の杉材を比較してみた・・・
桧の無等級材と山長商店の杉(ヤング係数 E70 以上)を比較してみました。
せん断力以外は杉の方が強いですね。
同じヤング係数の桧、杉材を比較してみた・・・
次にひのき、すぎ共、ヤング係数 E90の材料の圧縮、引張、曲げ強度を比較してみると 圧縮、引張、曲げ 強度とも杉材の方が強いことが分かります。桧と比較して、杉の木の方が木に粘りがあり、変形に対して、強度が強い特性が分かると思います。
せん断力については、杉の方が低いのでは?
と思われた方もいらっしゃるでしょう。
国交省で決められている強度値せん断力は樹種により指定されており、木の等級による強度の差は評価されていないようです。ちなみに、2013年に和歌山県林業試験場で行われたせん断試験では、和歌山産のスギ人工乾燥材 のせん断力は、5.51N/mm2,との報告がされています。
山長商店の材木は強度と含水率の検査を行っています。
今までの国産無垢材(製材品)は、乾燥が不十分で狂いが大きく強度にもバラツキがありました。品質の見極めも非常に難しく、強度と安定が求められる構造材としては「集成材」のほうが向いているとされてきました。
山長商店ではこれまで表示する必要のなかった木材の性能をあえて検査・表示することで、この不安を払拭しています。
木材1本1本に対して強度と含水率の検査を行い、更にJAS(日本農林規格)の認定を受けています。
山長商店は創業300年の歴史をもち、無垢材の目利きができる職人も多く抱えています。職人が検査を通過した木材の性質を見極め、更に適した部分に使われるよう選別します。これらの職人がいることで、無垢材を最大限に活かした家づくりが可能になるのです。
私も山長商店さんの工場見学をして参りました。
江戸中期から続く、長い歴史とご経験から積み重ねられた技術と最先端の技術と設備を兼ね備えられた、素晴らしい会社と感じました。山長さんが掲げている会社理念、社長様、担当の営業の方、会社の方々のお人柄も素晴らしく、商品の良さも物語っている、目標にしたい会社です。
下記は見学させていただいた時の写真です。1階の柱にいつも印字してくださっている『和工務店』の印字は心のこもった手作業。墨で体験させていただきました♬