機織りを楽しみ心豊かに暮らす家

C 様邸

所在地神奈川県横浜市鶴見区
竣  工2013年2月
敷地面積135.00㎡(40.83坪)
延床面積103.08㎡(31.18坪)
1階70.76㎡(21.40坪)
2階32.32㎡(9.77坪)
構造/工法木造軸組/外断熱二重通気工法

皆さんが家づくりで叶えたい「家時間」はなんですか?
今回は長年大切に仕舞いこんでいた道具たちと思う存分「手しごと」を楽めるようになった
Cさまご家族の素敵な暮らしをご紹介します。

生活の中心は1階に。広々としたLDKは吹き抜けを介してゆるやかに2階とつながっています。

C様の敷地は北に開け、南には家屋が隣接。そのため1階南側に大きな窓はありません。

1階リビング上部には、北側から安定した採光をとるための高窓を設置。

南側は吹抜けを介して2階から光を取り入れる工夫がされています。

明るく清潔感のあるキッチン。奥の壁に設けられたガラスブロックと木の格子がアクセントになっています。

Cさま手作りの鍋つかみや藍染め作品が。ひとつひとつ大切にされてきた様子が伝わってきて本当に素敵です。

キッチンの明るさのヒミツは壁に開けられたガラスブロック。
「ここに開口をつくってくれて本当に良かったわ。これがあるとないとでは明るさが全然違うのよ。」とCさま。

ガラスブロックの向こう側はユーティリティー。天窓を設け、洗濯物も干せるよう明るく気持ち良い空間に。

奥のユーティリティ、洗面・脱衣スペースと浴室は使いやすさを考慮し、ゆったりとつながっています。

キッチンの横には間仕切りを兼ねた家具をオーダーメイド。普段使いの食器を必要な分だけ、使いやすく収納。

リビング側から見ると壁のように見えるので、余計なものは表に見えずスッキリとした印象に。

キッチンからは充分な幅の通路を確保。家事動線を配慮し直線でつながっています。冷蔵庫もここに。

今まで大切にしてきた思い入れのある小ものたち。クッションカバーも全てCさまの手によるもの。
奥の食堂スペースは、お手持ちのダイニングテーブルに合わせて計画。平天井にして落ち着いた雰囲気に。

お気に入りのダイニングテーブルに合わせ、リビングの脇には落ち着いた色合いのオーダー家具をつくりました。

明るい階段を上ると、2階のアトリエスペースへ。すべての空間がおおらかにつながっています。

2階は機織り機を2台置いても余裕のスペース。いつでも思う存分趣味の時間に没頭出来る空間です。

南に面するアトリエにはあえて連続する高窓のみが計画されました。

南側の空き地に将来どんな家が建つか不明だったための配慮でしたが、リビングを挟んだ北側からの光がアトリエにも届くので、十分に明るい快適な空間に。北側からの光は安定しているので、作業する場所にはぴったり!

開口部から見える緑が美しく、作業中の目を癒してくれます。

景色が開けた東側に向けて、ルーフバルコニーを計画。床のすのこは息子さんがご自身で設置。

片流れの大屋根が特徴のCさま邸。玄関廻りは下屋を設け圧迫感のない、和風の落ち着いた外観となりました。

建築関係の息子ご夫妻と代表の佐俣、設計担当スタッフたちが納得のいくまでアイデアを出し合った結果、使い勝手の良い、それでいてゆったりと気持ちの良い時間を過ごせるお住まいが生まれました。そこで流れる時間は心地よく、穏やかなもの。「ほとんど息子とKAZさんにお任せしていたので」とCさまはおっしゃっていましたが、暮らしのイメージは明確にあり、使い勝手の良い収納や間取りを丁寧に計画していきました。Cさまの抜群のセンスの良さも加わり、念願の機織りや糸紡ぎなどを思う存分楽しみながら暮らせる素敵なお住まいとなりました。

家づくりを始めるきっかけ~完成した時のご感想などC様にお伺いしました。

Q. この家でかなった想いや夢はありますか?

A. 中断していた機織りが再開できたこと。以前の家はどの部屋へ行くにも長い廊下を通らなければならなかったけど、今はどの部屋へもすぐ行けるので本当に快適!大きなワンルームのようなものかしら?ずっと仕舞い込んでいたものをこの家でようやく出せたので、眺めたり使ったり、楽しんでいます。道具を出したりしまったりしなくて良いので、機織りも今は気が向いたらのんびりと楽しんでいます。孫たちと一緒にやることもありますよ。


撮影:写真家 Ayano Yamamoto

【雑誌掲載】
・風土社「チルチンびと神奈川」(2014年9月発売)掲載
・風土社「チルチンびと」冬号(2014年12月発売)掲載


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